奄美群島振興開発特別措置法 1~10条

奄美群島振興開発特別措置法 1~10条
(昭和二十九年六月二十一日法律第百八十九号)

最終改正:平成二一年三月三一日法律第八号
(最終改正までの未施行法令)
平成二十一年三月三十一日法律第八号 (一部未施行)


第一章 総則(第一条)
第二章 奄美群島振興開発計画等(第二条―第六条の十三)
第三章 奄美群島振興開発審議会(第七条・第八条)
第四章 独立行政法人奄美群島振興開発基金
第一節 総則(第九条―第十三条)
第二節 役員及び職員(第十四条―第十六条)
第三節 業務等(第十七条―第二十一条)
第四節 雑則(第二十二条―第二十六条)
第五章 雑則(第二十七条)
第六章 罰則(第二十八条・第二十九条)

第一章 総則

(目的)
第一条 この法律は、奄美群島(鹿児島県奄美市及び大島郡の区域をいう。以下同じ。)の特殊事情にかんがみ、奄美群島振興開発基本方針に基づき総合的な奄美群島 振興開発計画を策定し、及びこれに基づく事業を推進する等特別の措置を講ずることにより、その基礎条件の改善並びに地理的及び自然的特性に即した奄美群島 の振興開発を図り、もつて奄美群島の自立的発展並びにその住民の生活の安定及び福祉の向上に資することを目的とする。

第二章 奄美群島振興開発計画等

(基本方針)
第二条 国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣は、奄美群島の振興開発を図るため、奄美群島振興開発基本方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。
基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。

奄美群島の振興開発の意義及び方向に関する事項
地域の特性に即した農林水産業、商工業等の産業の振興開発に関する基本的な事項
雇用機会の拡充、職業能力の開発その他の就業の促進に関する基本的な事項
観光の開発に関する基本的な事項
道路、港湾、空港等の交通施設及び通信施設の整備その他の奄美群島以外の本邦の地域と奄美群島及び奄美群島内の交通通信の確保に関する基本的な事項
生活環境の整備に関する基本的な事項
保健衛生の向上に関する基本的な事項
高齢者の福祉その他の福祉の増進に関する基本的な事項
医療の確保等に関する基本的な事項
防災及び国土保全に係る施設の整備に関する基本的な事項
十一 自然環境の保全及び公害の防止に関する基本的な事項
十二 教育及び文化の振興に関する基本的な事項
十三 国内及び国外の地域との交流の促進に関する基本的な事項
十四 奄美群島の振興開発に寄与する人材の育成に関する基本的な事項
十五 奄美群島の振興開発に係る独立行政法人奄美群島振興開発基金、事業者、住民、特定非営利活動促進法 (平成十年法律第七号)第二条第二項 に規定する特定非営利活動法人(以下単に「特定非営利活動法人」という。)その他の関係者間における連携及び協力の確保に関する基本的な事項
十六 前各号に掲げるもののほか、奄美群島の振興開発に関する基本的な事項
基本方針は、奄美群島が我が国の自然環境の保全、海洋資源の利用等に重要な役割を担つていることにかんがみ、奄美群島の地理的及び自然的特性を生かし、その魅力の増進に資するような振興開発が図られるべきことを基本理念として定めるものとする。
基本方針は、平成二十一年度を初年度として五箇年を目途として達成されるような内容のものでなければならない。
国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣は、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、奄美群島振興開発審議会の議を経るとともに、関係行政機関の長に協議しなければならない。
国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。
(振興開発計画)
第三条 鹿児島県は、基本方針に基づき、奄美群島振興開発計画(以下「振興開発計画」という。)を定めなければならない。
振興開発計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

地域の特性に即した農林水産業、商工業等の産業の振興開発に関する事項
雇用機会の拡充、職業能力の開発その他の就業の促進に関する事項
観光の開発に関する事項
道路、港湾、空港等の交通施設及び通信施設の整備その他の奄美群島以外の本邦の地域と奄美群島及び奄美群島内の交通通信の確保に関する事項
生活環境の整備に関する事項
保健衛生の向上に関する事項
高齢者の福祉その他の福祉の増進に関する事項
医療の確保等に関する事項
防災及び国土保全に係る施設の整備に関する事項
自然環境の保全及び公害の防止に関する事項
十一 教育及び文化の振興に関する事項
十二 国内及び国外の地域との交流の促進に関する事項
十三 奄美群島の振興開発に寄与する人材の育成に関する事項
十四 奄美群島の振興開発に係る独立行政法人奄美群島振興開発基金、事業者、住民、特定非営利活動法人その他の関係者間における連携及び協力の確保に関する事項
十五 前各号に掲げるもののほか、奄美群島の振興開発に関し必要な事項
振興開発計画は、奄美群島内の島ごとの地理的及び自然的特性、人口及び産業の集積の状況その他の特性に応じた振興開発が図られるよう定めるものとする。
振興開発計画は、平成二十一年度を初年度として五箇年を目途として達成されるような内容のものでなければならない。
鹿児島県は、振興開発計画を定めようとするときは、あらかじめ、奄美群島内の市町村に対し、当該市町村に係る振興開発計画の案を作成し、同県に 提出するよう求めなければならない。この場合において、当該求めを受けた市町村は、単独で又は共同してその案を作成し、及び提出することができる。
鹿児島県は、前項の案の提出を受けたときは、振興開発計画を定めるに当たつては、当該案の内容をできる限り反映させるよう努めるものとする。
鹿児島県は、振興開発計画を定めようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣に協議し、その同意を得なければならな い。この場合において、国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣は、同意をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。
鹿児島県は、振興開発計画が前項の同意を得たときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第五項から前項までの規定は、振興開発計画の変更について準用する。
第四条 削除
第五条 削除
(特別の助成)
第六条 振興開発計画に基づく事業のうち、別表に掲げるもので政令で定めるものに要する経費に対する国の負担又は補助の割合は、他の法令の規定にかかわらず、同表に掲げる割合の範囲内で政令で定める割合とする。
前項に規定する事業に要する経費に対する他の法令(当該事業が後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律 (昭和三十六年法律第百十二号)第二条第二項 に規定する開発指定事業に相当するものである場合には、当該事業については、同法 の規定の適用があるものとした場合における同法 を含む。)の規定による国の負担又は補助の割合が、前項の政令で定める割合を超えるときは、当該事業に要する経費に対する国の負担又は補助の割合については、同項の規定にかかわらず、当該他の法令の定める割合による。
国は、振興開発計画に基づく事業のうち、別表に掲げるもので政令で定めるものに要する経費に充てるため政令で定める交付金を交付する場合におい ては、政令で定めるところにより、当該経費について前二項の規定を適用したとするならば国が負担し、又は補助することとなる割合を参酌して、当該交付金の 額を算定するものとする。
第一項に規定する事業に要する経費につき、第一項及び第二項の規定による国の負担又は補助の割合により国が負担し、又は補助する場合における国の負担金又は補助金の交付については、他の法令の規定にかかわらず、政令で必要な特例を定めることができる。
国は、第一項及び第三項に規定する事業のほか、振興開発計画に基づく事業で政令で定めるものに要する経費については、地方公共団体その他の者に対して、予算の範囲内で、その全部又は一部を補助することができる。
奄美群島における災害復旧事業については、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法 (昭和二十六年法律第九十七号)第三条 の規定により地方公共団体に対して国がその費用の一部を負担する場合における当該災害復旧事業費に対する国の負担率は、同法第四条 の規定によつて算出した率が五分の四に満たない場合においては、同法同条 の規定にかかわらず、五分の四とし、公立学校施設災害復旧費国庫負担法 (昭和二十八年法律第二百四十七号)第三条 の規定により国がその経費の一部を負担する場合における当該公立学校の施設の災害復旧に要する経費に対する国の負担率は、同法同条 の規定にかかわらず、五分の四とする。
(地方債についての配慮)
第六条の二 地方公共団体が振興開発計画に基づいて行う事業に要する経費に充てるために起こす地方債については、法令の範囲内において、資金事情及び当該地方公共団体の財政状況が許す限り、特別の配慮をするものとする。
(医療の確保等)
第六条の三 鹿児島県は、奄美群島における医療を確保するため、振興開発計画に基づいて、無医地区に関し次に掲げる事業を実施しなければならない。

診療所の設置
患者輸送車(患者輸送艇を含む。)の整備
定期的な巡回診療
保健師による保健指導等の活動
医療機関の協力体制(救急医療用の機器を装備したヘリコプター等により患者を輸送し、かつ、その輸送中に医療を行う体制を含む。第七項において同じ。)の整備
その他無医地区の医療の確保に必要な事業
鹿児島県知事は、前項に規定する事業を実施する場合において特に必要があると認めるときは、病院又は診療所の開設者又は管理者に対し、次に掲げる事業につき、協力を要請することができる。

医師又は歯科医師の派遣
巡回診療車(巡回診療船を含む。)による巡回診療
国及び鹿児島県は、無医地区における診療に従事する医師若しくは歯科医師又はこれを補助する看護師(第七項において「医師等」という。)の確保 その他無医地区における医療の確保(当該診療に従事する医師又は歯科医師を派遣する病院に対する助成を含む。)に努めなければならない。
鹿児島県は、第一項及び第二項に規定する事業の実施に要する費用を負担する。
国は、前項の費用のうち第一項第一号から第三号までに掲げる事業及び第二項に規定する事業に係るものについて、政令の定めるところにより、その二分の一を補助するものとする。
国及び鹿児島県は、奄美群島における医療を確保するため、市町村が振興開発計画に基づいて第一項各号に掲げる事業を実施しようとするときは、当該事業が円滑に実施されるよう適切な配慮をするものとする。
国及び地方公共団体は、奄美群島内の無医地区以外の地区において医療の提供に支障が生じている場合には、必要な医師等の確保、定期的な巡回診療、医療機関の協力体制の整備等により当該地区における医療の充実が図られるよう適切な配慮をするものとする。
(交通の確保等)
第六条の四 国及び地方公共団体は、奄美群島における住民の生活の利便性の向上、産業の振興等を図るため、海上、航空及び陸上の交通の総合的かつ安定的な確保及びその充実に特別の配慮をするものとする。
(農林水産業の振興)
第六条の五 国及び地方公共団体は、奄美群島の特性に即した農林水産業の振興を図るため、生産基盤の強化、地域特産物の開発並びに流通及び消費の増進並びに観光業との連携の推進について適切な配慮をするものとする。
(就業の促進)
第六条の六 国及び地方公共団体は、奄美群島の住民及び奄美群島へ移住しようとする者の奄美群島における就業の促進を図るため、良好な雇用機会の拡充並びに実践的な職業能力の開発及び向上のための施策の充実について適切な配慮をするものとする。
(情報の流通の円滑化及び通信体系の充実)
第六条の七 国及び地方公共団体は、奄美群島における住民の生活の利便性の向上、産業の振興、医療及び教育の充実等を図るため、情報の流通の円滑化及び高度情報通信ネットワークその他の通信体系の充実について適切な配慮をするものとする。
(高齢者の福祉の増進)
第六条の八 国及び地方公共団体は、奄美群島における高齢者の福祉の増進を図るため、老人福祉法 (昭和三十八年法律第百三十三号)第五条の二第三項 に規定する便宜を供与し、あわせて高齢者の居住の用に供するための施設の整備等について適切な配慮をするものとする。
(教育の充実等)
第六条の九 国及び地方公共団体は、奄美群島において、その教育の特殊事情にかんがみ、学校教育及び社会教育の充実に努めるとともに、地域社会の特性に応じた生涯学習の振興に資するための施策の充実について適切な配慮をするものとする。
(地域文化の振興等)
第六条の十 国及び地方公共団体は、奄美群島において伝承されてきた文化的所産の保存及び活用について適切な措置が講ぜられるよう努めるとともに、地域における文化の振興について適切な配慮をするものとする。
(地域間交流の促進)
第六条の十一 国及び地方公共団体は、奄美群島には優れた自然の風景地が存すること、国外の地域と近接していること等の特性があることにかんがみ、国民の奄美群島に対す る理解と関心を深めるとともに、奄美群島の活性化に資するため、奄美群島と国内及び国外の地域との交流の促進について適切な配慮をするものとする。
(人材の育成並びに関係者間における緊密な連携及び協力の確保)
第六条の十二 国及び地方公共団体は、地域における創意工夫を生かしつつ、奄美群島の魅力の増進に資する振興開発を図るため、その担い手となる人材の育成並びに奄美群島 の振興開発に係る独立行政法人奄美群島振興開発基金、事業者、住民、特定非営利活動法人その他の関係者間における緊密な連携及び協力の確保について適切な 配慮をするものとする。
(地方税の課税免除又は不均一課税に伴う措置)
第六条の十三 地方税法 (昭和二十五年法律第二百二十六号)第六条 の規定により、地方公共団体が、次に掲げる措置を講じた場合において、これらの措置が総務省令で定める場合に該当するものと認められるときは、地方交付税法 (昭和二十五年法律第二百十一号)第十四条 の規定による当該地方公共団体の各年度における基準財政収入額は、同条の 規定にかかわらず、当該地方公共団体の当該各年度分の減収額(事業税又は固定資産税に関するこれらの措置による減収額にあつては、これらの措置がされた最 初の年度以降三箇年度(第二号に規定する事業に対するものにあつては、総務省令で定める期間に係る年度)におけるものに限る。)のうち総務省令で定めると ころにより算定した額を同条 の規定による当該地方公共団体の当該各年度(これらの措置が総務省令で定める日以後において行われたときは、当該減収額について当該各年度の翌年度)における基準財政収入額となるべき額から控除した額とする。

奄美群島内において次に掲げる事業の用に供する設備を新設し、又は増設した者について、その事業に対する事業税、その事業に係る建物若しくはその敷地で ある土地の取得に対する不動産取得税又はその事業に係る機械及び装置(ホに掲げる事業の用に供するものを除く。)若しくはその事業に係る建物若しくはその 敷地である土地に対する固定資産税を課さないこと。

製造の事業
有線放送業、ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業又はインターネット付随サービス業(インターネットを利用した通信又は情報の処理若しくは提供に関する事業活動であつて総務省令で定めるものを行う業種をいう。)に属する事業
ロに規定する業種以外の業種に属する事業者が情報通信の技術を利用する方法により行う商品又は役務に関する情報の提供に関する事業その他の総務省令で定める事業
奄美群島において生産された農林水産物又は当該農林水産物を原料若しくは材料として製造、加工若しくは調理したものを店舗において主に奄美群島以外の地域の者に販売することを目的とする事業
旅館業(下宿営業を除く。)
奄美群島内において畜産業、水産業又は薪炭製造業を行う個人について、その事業に対する事業税を課さないこと。
前二号に規定する者について、これらの規定に規定する地方税に係る不均一の課税をすること。

第三章 奄美群島振興開発審議会

(奄美群島振興開発審議会の設置及び権限)
第七条 この法律の規定によりその権限に属させられた事項その他奄美群島の振興開発に関する重要事項を調査審議するために、国土交通省に奄美群島振興開発審議会(以下「審議会」という。)を置く。
審議会は、奄美群島の振興開発に関する重要事項につき、国土交通大臣、総務大臣又は農林水産大臣に対し意見を申し出ることができる。
(審議会の組織等)
第八条 審議会は、鹿児島県知事、鹿児島県議会議長及び学識経験のある者につき、国土交通大臣が任命する委員十一人以内で組織する。
審議会に会長を置き、委員の互選により選任する。
会長は、会務を総理する。
委員は、非常勤とする。
前各項に定めるものの外、審議会の議事、運営その他審議会に関し必要な事項は、政令で定める。

第四章 独立行政法人奄美群島振興開発基金

第一節 総則

(目的)
第九条 独立行政法人奄美群島振興開発基金の名称、目的、業務の範囲等に関する事項については、この章の定めるところによる。
(名称)
第十条 この法律及び独立行政法人通則法 (平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項 に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人奄美群島振興開発基金とする。

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